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現場のちから

  acbさんに薦められて「現場論」(東洋経済)を読んだよ。確かに遠藤先生の言われるように英語に「現場」に相当する概念はないように思うね。それだけ日本企業、特に製造業は現場での改善活動をベースとした価値創造を通じて国際競争力をつけて来たのだけれど、その現場自体が海外へ移転し、国内になくなっていく過程で競争力を失っていったとも言えるのだろうか。以前にも経営戦略史を読んでの感想として書いたけれど、ポジショニング戦略(勉強してね!)が浸透し、どの企業でも同じようなポジショニング戦略をとるようになるとこうした戦略策定自体で競争優位に立つことは困難になってくる。遠藤先生はこうした現象を戦略のコモディティ化と呼んでいるのだけれど、こうした状況に陥った場合何が競争優位を決定づけるかというと、戦略の遂行能力の差ということになるわけだ。それが資源ベースの戦略論が登場した由来であり、マネジメント3.0の世界につながっていくんだね。

 前述のような状況下では、最もお客様(=市場)に近い場所にいる現場の人間が常に変化するお客様のニーズをいかに臨機応変につかまえて自分たちの価値創造にまで持ち上げていくかが大事になる。本部が戦略を立案するのではなく、現場から戦略が生まれ、実行まで完結されていく。本部は現場メンバーからこうした戦略あるいは戦略につながる小さな一歩が生まれ易い環境や仕掛けを作ったり、そうしたことに取り組もうとする人材の育成を進めることが大きな役割となるわけだ。私自身前職では営業の現場も長く経験した一方で、企画部で経営戦略策定の役割も担ったけれど、こうしたアプローチはして来なかったね。ポジショニング戦略を立案するのが企画部の大きな役割として考え、敢えて言えば資源ベースの戦略論は人事部の所管領域ぐらいに考えていたかなぁ。長期経営計画策定時には現場の人間を集めて意見を聞こうとはしていたので、組織知として現場の中にこそ戦略の種はあると認識はしていたんだと思う。

 さて、「現場論」の中では現場で重要な3つの能力として、①保つ能力②より良くする能力③新しいものを生み出す能力があるとされている。当社の場合、一番ベーシックな保つ能力をもっと上げていかないといけないよね。より良くする取り組みは沢山なされていると思うけれど、保つことができなければまた最初の段階に戻っていつか話し合ったことをまた最初からやり直すことの繰り返しになってしまうからね。愚直に反復する、愚直にとことんやり通す、支援職もまだまだ出来ていないね。本書内でも採り上げられていた松下幸之助の「事を遂げる者は愚直でなければならぬ。才走ってはうまくいかない。」って、納得できる言葉じゃないかな。そして、この「愚直に続ける」はより良くする取り組みにも言えるんだね。微差にこだわり、終わりのない改善を愚直に続ける。私たちは、従来のやり方とは非連続なイノベーションを無の中からいきなり生み出そうとするわけだけれど、こうした愚直な改善の積み重ねの中からこそイノベーションは生まれ得る。そこにこそ日本企業の強みはあった、いや今も持っているということを改めて確認できた本書だったね。以上
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自動機・省力化機械の開発・設計・製造組立の天竜精機

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