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古の言行

  正月休みに読むと良い本として日経の紙面上で推薦のあった本の中から「宋名臣言行録」を読んでみた。もともと中国史は好きな分野で、大学は東洋史学科に入ろうかと思ったこともあったくらいなので、面白く読めたね。宋と言えば太祖・趙匡胤が有名で、中国四千年の歴史の中でも最高の名君のひとりと呼ばれているけれど、みんなは知っているかな。彼の業績の特筆すべき点は、文官優位の政治を確立させるとともに議論を奨励して意見の相違によりみだりに部下を殺さなかったこと。また、帝位の禅譲を受けた後周の柴氏一族を末代まで庇護したことだね。この二つの施策は石刻遺訓と呼ばれる石に刻んだ太祖の遺言により宋の皇帝が代々受け継いで、特に前者の施策は宋代の政治を特色づけることになったわけだ。

 さて、そうして確立した宋代の官僚政治からは現代にも通ずるような社会の中で生きる術を学べる事例が沢山伝えられていて、今回の言行録はそうした事例集みたいなものだね。例えば、「清濁併せ呑む」という言葉があるよね。これと通ずるような言葉として「水清くして魚棲まず」というものもある。前者は主にリーダーとしての度量の大きさを示す際の比喩として使われるし、後者はあまりに清廉すぎる人は疎まれて孤立してしまうような例えで使われるものだね。宋の名臣だと称えられた人が言うには、「名臣であるにはまず水の清さがどういうものなのかを知っていなければならない。清濁はその上に成り立つものであり、それを己の中に確立せずに濁ばかり呑んでいては良い政治はできない。」とのことだ。そうだよね。人の上に立つ際には、理想だけでは片付けられないドロドロしたものを避けては通れないものだけれど、深く胸に刻んでおきたい言葉だね。

 更には、宋の宰相だった人が自分の子供が人形を作っているのを見てこう言ったそうだ。「人形を作る際は、鼻と耳は大きく、目と口は小さく作りなさい。鼻と耳は後から直す際に削って小さくすることが出来るように、目と口は大きくすることが出来るようにしなさい。」と。つまり、物事は最初から完璧を目指してはいけない。後で必ず修正が入ることを見越して余裕を持たせてスタートするのが良いということなんだね。現代的に更に意味づけするとすれば、完璧を目指してスタートまでにやたら時間を掛けることをせずに6~7割の詰めでも後日の修正も前提としつつ、まずは行動に移せということだろうか。

 私たちはよく「今の若い奴は~」なんていうわけだけれど、大昔の古文書にも「今の若い奴は~」なんて出てくるそうで、存外人間の本質は変わらないし、社会の有様も本質的にはそんなに現代と変わらなかったのかも知れない。だからこそ私たちが歴史を学ぶ意味合いもあるんだろうね。以上
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